
スマートフォンは便利な道具ですが、つい使いすぎて気が付けばバッテリー残量が少なくなってしまったという経験をした人は多いと思います。
そんな時に、役に立つのがモバイルバッテリー
最近では大容量・高出力化が進み、スマホだけでなく高入力を要求する機器にも充電出来るようになりました。「RAVPower RP-PB159」は、20,000mAhの大容量で最大45Wで出力できるので、ノートパソコンにも急速充電できるモバイルバッテリーです。今回はそんなRP-PB159の使ってよかった所や気になった所をレビューしていこうと思います。
目次
RAVPower RP-PB159 の特徴
RAVPower RP-PB159の特徴
- 20100mAhの大容量
- 最大45Wの高出力
- 本体を3時間半で充電できる
- 2台同時に充電できる
- 安心のバッテリー保護機能
- 18ヶ月保証(製品登録で12ヶ月延長)
20100mAhの大容量もさることながら、PD充電に対応しているのでスマホやタブレットだけでなく、MacBookのようなPD充電可能なパソコンにも充電できます。保証については標準の18ヶ月に加え、製品登録をするとさらに12ヶ月延長の30ヶ月の安心長期保証。それだけ製品に自信があるのでしょう、頼もしいかぎりです。
RAVPower RP-PB159 の外観
本体の大きさは 160 x 78 x 23 mm。iPhoneXと比べると2回りほど大きく厚みもあるから、ポケットに入れて気軽に持ち運べるようなモバイルバッテリーではありません。
本体の重さは398g。350ccの缶ビールよりも重いと考えると、けっこうな重さ。
成人男性が持つとこんな感じ。iPhone 11 Pro Maxとだいたい同じ大きさ。
ポートは、出力がUSB TYPE-A、入力がmicroUSB、入出力に対応したUSB TYPE-Cを各1口づつ装備。
側面の電源ボタンを押すと、バッテリー残量が確認できます。
バッテリー残量のインジケーターは4段階表示。
裏面にはバッテリーのスペックや各種認証マークが記載されています。
付属品は、USBタイプCケーブル、マイクロUSBケーブル、本体を入れるポーチの3点で、充電器は付属しない。
ポーチはしっかりした作りでケーブルを入れるポケット付。これがけっこう便利で重宝してます!
RAVPower RP-PB159 の出力性能
RAVPower RP-PB159 のスペック
- バッテリー容量:20100mAh / 72.36Wh
- 取り出し可能電力量:58.2Wh(5V × 2.4A)
- 出力ポート:2( USB-A × 1 , USB-C × 1 )
- USB-A出力:5V/2.4A 最大12W
- USB-C出力:5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/2.25A 最大45W
まずはバッテリーの容量がスペック通りあるのか、負荷装置を使って満タン状態から空になるまで測定してみました。負荷は TYPE-Aポート の最大出力の「5V × 2.4A」で行ったところ、「58.2Wh」で空になりました。
モバイルバッテリーはUSBポートを利用する時に電圧を上げて出力しますが、その際の変換ロスが20%ほどあると言われていています。実際にフル充電の状態からバッテリーが空になるまで消費した時の電力量は58.2Whだったので、58.2 ÷ 72.36 = 0.804 となり、20%のロスとバッテリーの容量がスペック通りあることを確認しました。
さらにスマホやタブレットに充電される時には電圧が下げられるので、ここでも変換ロスが発生します。つまり、ほとんどのモバイルバッテリーは、容量の60%くらいしか取り出せないのです。
充電回数の目安 (メーカー公表値)
- iPhone 6s:約7.3回
- iPhone xs:約4.3回
- iPad mini4:約1.8回
- 2018 9.7inch iPad:約1.3回
- 2017MacBook 12inch:約1.3回
- MacBook Pro 13inch:約1回
USB TYPE-A の出力性能
TYPE-Aの出力は、QC3.0のような急速充電には対応しておらず、最大出力が12Wと少々物足りなさを感じますが、TYPE-C端子を利用したPD充電が普及したこともあり、TYPE-Aの急速充電にそれほど必要性を感じていないので、個人的には12Wあれば充分です。
写真は、アンドロイドスマホの「HUAWEI nova 5T」を充電した時のもので。5.02V × 1.9A = 9.54Wで充電されていました。その他に「iPhone X」とアンドロイドタブレットの「HUAWEI MediaPad M5 Lite」も充電しましたが、それぞれiPhoneが7.68W、MediaPadが7.57Wで充電されていました。
下の表は、それぞれの機器をバッテリー残量20%から充電したときの経過時間とバッテリー残量の変化をまとめたものです。
経過時間 | nova 5T | iPhone X | MediaPad |
0 | 20% | 20% | 20% |
30分 | 49% | 46% | 33% |
60分 | 78% | 70% | 48% |
90分 | 97% | 89% | 62% |
満充電 | 97分 | 136分 | 193分 |
※バッテリー容量 nova 5T:3,750mAh、iPhone X:2,716mAh、MediaPad:4,700mAh
検証ではスマホ2台とタブレットを充電しましたが、電力量の合計は50.7Whで、まだ8Whほど余裕がありました。1回の充電でこれだけ使えれば、仕事でもプライベートでもヘビーに丸1日使えると思います。
USB TYPE-C の出力性能
TYPE-Cの最大出力は45Wですが、それ以外の出力をテスターを使って調べました。
利用可能出力
- 5.00V × 2.80A = 14W
- 9.00V × 3.00A = 27W
- 12.00V × 3.00A = 36W
- 15.00V × 3.00A = 45W
- 20.00V × 2.25A = 45W
バッテリーの裏とホームページには「5.00V × 3.00A」となっていましたが、実際には「5.00V × 2.80A」でした。
ニンテンドースイッチ(2019モデル)に充電してみた
ニンテンドースイッチ(携帯モード)でゲームをプレイ中に充電してみました。約15Wで充電されて、ゲームをしながらでもバッテリー残量が増えていくことを確認しました。これなら充電している間に待つ必要もなく、出先でもRPGのような長丁場のゲームも快適にプレイできます。
ちなみにバッテリー残量20%から満タンにするのにだいたい17~18Wh必要で、3回満タンにすることができました。
下の表はバッテリー残量20%から満タンになるまでの経過時間とバッテリー残量の変化をまとめたものです。
経過時間 | バッテリー残量 |
0 | 20% |
30分 | 43% |
60分 | 66% |
90分 | 85% |
120分 | 94% |
148分 | 100% |
ゼルダの伝説の場合、スイッチのバッテリーで大体3時間くらい遊べるから、RP-PB159をいっしょに持ち出すことで12時間もプレイすることができます。これだけ遊べて不満に思う人はそうは居ないはず!
MacBook Air(2019モデル)を充電してみた
MacBook Air 2019モデルを充電してみました。Macに付属の充電器は30Wですが、RP-PB159の最大出力は45Wあり、充電開始直後は40W近い出力で充電していまいたが、しばらくすると30Wを少し超えたあたりで落ち着きました。
それでも不安に思ったのでアップルに問い合わせたところ「30W以上で電気を送っても、本体の方で30Wに落として充電される」と言われたので安心しました。
使用中でもスリープ中でもだいたい同じくらいの値で充電されていました。
下の表はバッテリー残量20%から満タンになるまでの経過時間とバッテリー残量の変化をまとめたものです。
経過時間 | バッテリー残量 |
0 | 20% |
30分 | 58% |
60分 | 87% |
110分 | 100% |
1時間で20%から87%まで回復させてくれるところが気に入っています。
いざという時の心強い味方です!
その他に充電した機器
iPhone8 以降はUSB-C to Lightningで接続するとPD充電ができるので、実際にiPhoone Xで試してみたところ「9.1V × 1.62A = 14.7W」で充電していました。iPhone11Pro以外に付属する5Wの充電器と比べると、充電時間の大幅な短縮につながります。
その他にアンドロイドスマホの「FUAWEI nova5T」とアンドロイドタブレットの「HUAWEI MediaPad M5 Lite」も充電しましたが、それぞれnova-5Tが12.7W、MediaPadが14Wで充電していました。
下の表は、それぞれの機器をバッテリー残量20%から充電したときの経過時間とバッテリー残量の変化をまとめたものです。
経過時間 | iPhone X | nova 5T | MediaPad |
0 | 20% | 20% | 20% |
30分 | 66% | 47% | 42% |
60分 | 84% | 74% | 64% |
90分 | 97% | 95% | 84% |
満充電 | 113分 | 100分 | 113分 |
※バッテリー容量 nova 5T:3,750mAh、iPhone X:2,716mAh、MediaPad:4,700mAh
同時に充電するとUSB-Cの出力が下がる
USB-Cの最大出力は45Wですが、USB-Aと同時に使うと30Wに下がります。
上の写真はUSB-CにMacBook Air(下)と、USB-Aにアンドロイドスマホのnova 5T(上)を繋いだ時のもので、MacBookが29.4W、nova 5Tが10.4Wで充電されていました。
出力が下がってもMacBook Airならフルスピードで充電可能です。
給電ができる機器同士を繋ぐ時の注意点
RP-PB159のUSB-Cは1つのポートで他のデバイスへの給電とバッテリー自身の充電をまかなえて便利なのですが、いつも自分が思った動きをしてくれるとは限りません。
お互いに給電ができる機器同士を繋いだ場合、給電しているつもりが充電されていることがあります。何度か繋ぎ直したり繋ぐ順番を変えたりすると思った動きになるのですが注意が必要です。
本体が充電されている時は、上の画像のようにインジケーターが順番に点灯します。
バッテリー本体の充電
本体の充電は、micro-USBかUSB-Cポートを使います。
- USB-C入力:5V/3A、9V/3A、12V/2A、15V/2A、20V/1.5A 最大30W
- Micro USB入力:5V/2A、9V/2A 最大18W
micro-USBはQC対応で最大18W、USB-CはPD対応で最大30Wで充電可能です。どちらも高速で充電できますが、特にUSB-Cは高速で3時間半で満充電できます。充電器はMacBook Air付属の出力30Wの充電器が問題なく使えました。
充電時間
- USB-C 充電器 (30W):3.5時間
- QuickCharge 充電器 (18W):5.5時間
モバイルバッテリーは給電スピードが早いことも重要ですが、充電時間が早いことも使い勝手のよさに直結すると思っているので、PD充電に対応しているのは嬉しい仕様です。
RAVPower RP-PB159 レビューまとめ
RP-PB159を実際に使ってどうだったのか、よかったところと、気になったところにまとめました。
よかったところ
- 20100mAh(72.36Wh)の大容量
- USB-C PDで最大45Wの出力で充電できる
- 本体を3時間半で満充電できる
- 1台でPCとスマホを充電できる
気になったところ
- USB-AがQuick Chargeのような急速充電に対応していない
- 大きくて重い
大容量モバイルバッテリーに於いて、PDに対応しているのは当たり前になってきましたが、RAVPowe RP-PB059は、出力が45Wもあるからスマホやタブレットだけでなく、MacBookのようなノートパソコンやNintendo Switchにも充電することができます。
USB-Aは最大で12Wまでしか対応していませんが遅くて仕方ないことはないし、最近のガジェットはほとんどがUSB-C端子を備えていてPD充電にも対応しているから、それほど困らないと思います。
また入力も最大30WのPDに対応していて、バッテリー自体を3.5時間でフル充電できるところも魅力!気になる点といえば大きくて重いことくらいですが、カバンに入れて持ち運ぶなら気にならないし、容量と性能を考えるとそのデメリットを納得させてくれるモバイルバッテリーです。
特にPD充電メインの方にはオススメのモバイルバッテリーです。