ポータブル電源にソーラーパネルを繋ぐと手軽に充電できますが、夏の炎天下や急な雨降りのことを考えると、安心して外に放置できせん。
そんな時は延長ケーブルを使うと、ポータブル電源を涼しくて雨のかからない屋内に置いて充電できますが、延長ケーブルを使うと一体どれくらい電力をロスするのか気になったので検証してみました。
使用したケーブル
検証にはソーラーパネルでよく使われているMC4コネクター付ソーラーケーブルとポータブル電源の充電ポートに挿せるDC8mmプラグのケーブルを使って比較しました。
長さは3メートルのものをそれぞれ3本づつ用意して「3メートル」「6メートル」「9メートル」の時にどれくらいロスするのか測定しました。
DC8mmケーブルについては、Jackery700、400、SmartTap PowerArQで使えました。ちなみにsuaoki G500には使用できません。
ケーブルのスペック
ソーラーケーブル | DC8mmケーブル | |
---|---|---|
定格電圧 | 600V | 300V |
定格電流 | 30A | 6A |
動作温度 | -30~80度 | 80度まで |
ケーブル外径 | 5.7mm | 5.1mm |
防水規格 | IP65 | IPX4 |
防水規格について
スマートフォンなどのスペック表を見ると、防水性能の項目に「IP65」や「IPX4」というふうに表記されています。
これは、IPに続く3文字目に防塵レベル、4文字目に防水レベルが表記されていて「IP65」の場合「防塵性能がレベル6」で「防水性能がレベル5」ということになります。
「IPX4」の場合、防塵性能の「X」は省略を意味しています。(防塵性能が無いわけではありません)
- IP65:粉塵の侵入を防ぎ、流水で洗っても大丈夫なレベル
- IPX4:少々の雨や水しぶきに当たっても大丈夫なレベル
ソーラーケーブルの特徴
コネクターのオス側にある爪が、差し込むとがっちりと固定します。オレンジ色の部分はパッキンです。
差し込むとこんな感じになります。防塵防水規格は「ip65」なので、水没させなければ雨ざらしにしても問題ないレベルです。
もっと細いケーブルなら柔らかいのかもしれませんが、私の購入したものはけっこう硬かったです。硬いといっても曲がりますが、取り回しには注意が必要かもしれません。
DC8mmケーブルの特徴
購入するまでは、ただ差し込むだけかと思っていましたが、オス側にネジ山が、メス側にはネジの溝があるので、繋ぐときは、ネジ込みながら挿します。
繋ぐと思っている以上にしっかり固定されて、少々引っ張ったくらいでは抜けません。防水性能は、少々の雨や水しぶきに当たっても大丈夫なレベルです。
ソーラーケーブルと比べると、けっこう柔らかいので、取り回しは自由度があると思います。
ケーブルの長さを比較
「3メートル」とか「6メートル」と書いてもイメージしにくいと思ったので、車と比較しました。※ケーブルの純粋な長さを比較するために、ソーラーパネルからのケーブルは写していません。
3メートル:建物の側にソーラーパネルが置けるのであれば、これくらいあれば充分かと思います。
6メートル:これくらいの長さがあれば、ほとんどの状況に対応できるでしょう。
9メートル:個人的には、正直ここまで必要ないかな?
検証に使った機材
- Jackery 700(ポータブル電源)
- 100Wのソーラーパネル
- MC4 ソーラーコネクタ 8mm
検証日は12月15日14:00の晴天、同じ条件になるようにパネルを30分間放置して表面の温度を安定させてから比較しました。
まずは延長ケーブル無しで測定したところ、発電量はなんと「69W」もありました!
これは、9月8日13時台の64Wよりも多い数値です!
余談になりますが、ソーラーパネルの発電効率は25度(パネルの表面温度)で最大になるそうです。実際に測ってみたら「24.7度!」
どうりで発電量が多いわけです!
発電効率について
ソーラーパネルは日差しが強くなると電流は上がる反面、パネルの表面温度が上がって電圧が下がってしまい、結果的に発電量が下がります。発電効率や日照時間を考えると、日本で発電量が多くなるのは 3〜5月の春から初夏にかけてのようです。
また、違う時期に測定して、1年を通じていつが発電量が多くなるのかやってみたいです。
検証開始
それでは、検証していきたいと思います。
ソーラーケーブルの場合
ソーラーケーブル3メートルの発電量は「67W」で、延長ケーブルがない状態と比べて「2W」少なくなりました。思っていたよりロスが少なくて驚きました。
6メートルは「1W」減って「66W」
9メートルは、さらに「1W」減って「65W」になりました。
結果、3メートル延長する度に発電量が「1W」づつ下がっていきました。
検証を行う前は もっと下がっていくものと思っていたので、嬉しい誤算です
DC8mmケーブルの場合
DC8mmケーブル3メートルの発電量は「64W」でした。
6メートルは64Wと63Wを行ったり来たりしていましたが、若干63Wの方が多かったので「63W」としました。
9メートルは、「1W」減って「62W」になりました。
ソーラーケーブルの方が太いケーブルを使っているので、ロスが少ないと思っていましたが、意外にも同じでした。
【まとめ】大したロスはない!
検証の時にも言いましたが、思っていた以上に送電ロスが少なくて驚きました。ソーラーケーブルもDC8mmケーブルも9メートルで3Wのロスしかありません。
2つのケーブルの違いは防塵防滴性能だと思うので、どちらのケーブルを使うかは使用する状況によって決めればいいと思います。
今回の検証は私の使用した環境での結果であって、すべての環境下で同じ結果になることを保証したものではありませんが、この記事を読んでくださった方の何かの参考にしてもらえれば幸いです。
ほぼ今回使用した機器
SmartTap 延長ケーブル
SmartTap社製ですが、Jackeryでも問題なく使えるMC4コネクタ付ソーラーパネル用の延長ケーブルです。長さは10メートルあるので、まず困ることはないでしょう。※suaoki製品には使用できません。