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【製版編】シルクスクリーン印刷でオリジナルTシャツをなるべく安く自作するやり方 part.1

今回はシルクスクリーン印刷でオリジナルTシャツの作り方を紹介します。

シルクスクリーン印刷は、メッシュにインクを通すところと通さないところを作って図柄を作成して、そこにインクを流し込む印刷方法で、市販されているTシャツにも使われている技法です。

この記事では「なるべくお金をかけない」をコンセプトに、入手しやすい機材を使って説明していきます。手間はかかりますが、一度コツを掴んでしまえばそれほど難しくないので是非チャレンジしてもらいたいです!趣味としてもオススメです。

目次

シルクスクリーン印刷の流れ

実際にシルクスクリーン印刷を始める前に、これからやっていく作業の大まかな流れを説明します。

STEP
スクリーン張り

まずは木枠に「感光剤」が塗られたメッシュのシートを張ります。感光剤は水で洗い流せますが、紫外線を当てると硬化する性質があります。

STEP
露光

Tシャツにプリントしたい図柄をコピー用紙に黒色で印刷して原稿を作成し、シートの上に載せて紫外線(ブラックライト)を照射。

STEP
版の洗浄

露光終了後、原稿を外して洗浄。紫外線が当たった部分は硬化しますが、原稿の黒い部分は光が当たっていないので図柄の形に抜け落ちます。

STEP
プリント

版をTシャツの上に乗せてインクをスキージー(ヘラのようなもの)で刷り込みます。

インクを乾燥させて完成。

シルクスクリーン印刷の3つの困難

記事冒頭でシルクスクリーン印刷はそれほど難しくないと書きましたが、違う言い方をすれば簡単ではありません。私がシルクスクリーン印刷にチャレンジし始めたときに難しいと感じたポイントは3点。

  • スクリーン張り
  • 露光
  • プリント

まぁ全工程が難しいことになりますね・・・

中でも一番 手こずったのは「スクリーン張り」です。とにかくスクリーンを「ピン」と張れませんでした。少々たるんでいても印刷できますが、ピンと張ったほうが刷りやすいし図柄も歪みません。自分自身コツを掴むまではかなり苦労しました。

シルクスクリーン印刷を説明するにあたって、難しい作業を写真と文章だけでどこまで伝えられるか分かりませんが、過去の何の知識もなかった自分を思い返しながら説明していこうと思っています。

そうなると 1記事でまとめるには長くなってしまうので、4つの記事に分けて説明します。

  • 版作りの記事
  • 露光機作成の記事
  • 露光の記事
  • プリントの記事

この記事では、版作りについて説明します。

版作りに用意するもの

絶対にこれじゃないといけない訳ではありませんが、今回 版作りに用意した材料と道具類です。

Tシャツくん スクリーン

版に使うスクリーンには、紫外線に反応して硬化する乳剤が塗布された「Tシャツくん スクリーン」を使います。シートはカットして使えるので、大きいサイズを選んでおくと色んなサイズに対応できて便利です。

メシュのサイズは水性インクを使う場合「60、80、120」の3種類があって、数字が大きくなるほど目が細かくなります。Tシャツに使うのであれば120メッシュを選んでおけば問題ないと思います。

※ 写真は80メッシュになっていますが、実際には120メッシュを使用しました。

メーカーの商品説明には「開封後1年以内に使い切ってください」と書いてありますが、クローゼットに入れて保管していたものは2年経っても普通に使えました。

コルクボード

スクリーンを張る木枠は、100均のコルクボードを使用します。スクリーンは小さな木枠のほうが張りやすいので、ある程度コツを掴むまでは、小さめのコルクボードで練習するのがオススメ

コナンティーノ

個人的にはセリアのコルクボードの木枠が太くてお気に入りです

ただし、枠の素材が「MDF」でできているものは買わないように!MDFは繊維化した木材を整形した素材で、印刷が終わって版を洗っていくうちに枠がふやけて大きく変形してしまいます。よく確認して購入するように!

タッカー、マスキングテープ

マスキングテープはスクリーンを木枠に張るときに使います。テープ幅は30mmのものが使いやすいです。

スクリーンの固定にはタッカーを使います。ホチキスでも代用できますが、タッカーの方が圧倒的に使い勝手がよく、作業が捗ります。打ち損じた芯を引っこ抜くリムーバーはタッカーのオマケで付いてきたものですが、あるとすごく便利です。

コルクボードの枠にスクリーンを張る

コルクボードはセリアの「20cm × 30cm」を使用しました。

コルクボードは枠だけ使用するので、コルク部分を枠から取り外します。

ボード部分を取り外した枠をTシャツくんスクリーンの上に置いてマジックで縁取ります。Tシャツくんスクリーンの「ワイド」サイズなら2面分取れます。

Tシャツくんスクリーンは蛍光灯の光にも反応してしまうため、部屋を暗くするか紫外線の出ないLEDライトの下で作業しましょう。

マジックの線をカット。

「20cm × 30cm」の枠を使用すると上の写真くらい余ります。この余った部分を利用して露光テストを行うので、使わない方のシートといっしょにスクリーンが入っていた袋に折り目がつかないようにしまっておきましょう。

カットしたスクリーンを枠の上に乗せて1箇所をタッカーで固定してから、

重しやクランプなどで枠が動かないようにして、短い方の1辺をマスキングテープで引っ張りながら固定します。テープを指で押さえながら斜め下に引っぱると張りやすいです。力加減はテープが剥がれない範囲で強めに。

マスキングテープは枠の側面と裏面にしっかりと貼り付けるように!

テープが緩まないうちにタッカーで固定。なるべく間隔をつめて打つと仕上がりが綺麗になります。

同じように長い方の1辺もマスキングテープで引っ張ってからタッカーを打っていきます。

スクリーンが固定できたら、仮止めしていたマスキングテープを剥がします。

次に固定していない長い方の1辺をマスキングテープで引っ張っていきます。テープの間隔は少なくして、力加減は強く引くというより隣のテープとのバランスを取りながら貼るのがコツです。

細い枠の場合、引っ張りすぎると変形してしまうので注意!

貼り終わったのがこちら。

同じように短い方の辺も引っ張っていきます。

だいたいピンと張れましたが、弛んでいるところもあるので、

弛みがある所のテープを引っ張り直して、全体がピンとなるまで繰り返します。

最初からタッカーで固定するとやり直しは大変ですが、テープで固定しているだけなので、簡単に何度でもやり直せるのがいいところです。

全体的にピンと張れたらテープが緩まないうちにタッカーで固定。

裏返してハミ出したマスキングテープをカット。

完成、いい感じに張れました。

出来上がった版は、スクリーンが入っていた黒い袋に入れて光が当たらないところで保管しておきます。

次は露光機作成の記事に移ります。

版作りに使ったもの

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