Tシャツのオリジナルプリントをするときに「Tシャツくんスクリーン」を使っていますが、水性インクを使用する場合メッシュのサイズは「60、80、120」の3種類があります。メーカーの製品ページには120メッシュが標準で、80メッシュは目詰まりしやすいインクに適していて、60メッシュは上級者向けと記載されています。
そこで扱いやすい80メッシュと120メッシュのスクリーンを使って同じ版を作り、プリントの仕上がりにどれくらいの違いが出るのか比較してみました。
80メッシュと120メッシュの見た目の違い
プリントする前に同じ図柄の同じ部分を比較しました。
感光剤は80メッシュも120メッシュも同じように1ミリ以下の細い線まで抜けていますが、80メッシュはパッと見て分かるくらい目が荒く、シート自体も硬くて結構な違いがあります。
この違いがプリントの仕上がりにどれくらい影響するのでしょうか?
プリントの仕上がりの違い
実際に綿100%のTシャツに水性の黒インクで印刷して細かい部分を比較しました。
どうでしょう?部分的に滑らかなところとガタついてるところがありますが、トータルでは大差ないと思います。
少し引いて見比べると、さらに違いが分かりません。ちなみにこのイラストの横幅は約19cmです。
テキストも比較してみましたが、こちらも違いが分かりません。
もっとハッキリとした違いが出ると思っていたので、意外な結果となりました。
隠蔽力の違い
メッシュは目が荒いほどインクの通りが良くなります。80メッシュの商品説明には、金銀のような粒子の荒いインクや濃色生地のプリントに適していると書いてあったので、実際に濃色生地に白インクでプリントして隠蔽力がどれくらい変わるのか比較しました。
※ インクは「HANDoTシャツくん 水性シルクスクリーンインク リッチ」を使用。
インクの通りは同じようにプリントしても版に残るインクの量が80メッシュの方が少ないように感じたので、通りがいいのかもしれませんが、プリントの仕上がりは黒インクの時と同じように特に違いは見られませんでした。
【まとめ】用途に合わせて使い分けるといい
今回、黒インクと白インクで比較を行ったわけですが、メッシュの違いによるプリントの仕上がりは大差ないという比較記事としては少々物足りない結果となりました。
検証に使用したHANDoのインクは粘り気が強いのが特徴で、濃色生地に対する隠蔽力が高くて気に入っていますが、120メッシュで使うと目詰りしやすく、連続してプリントするには適しません。
これからシルクスクリーン印刷を始める場合、基本的に120メッシュを選んでおけば問題ないと思いますが、HANDo のインク(特に白インクは粘度が高いと思う)を使う場合や連続してプリントするなら80メッシュがいいと思います。