自分の使っている電化製品のスペックを調べたくてメーカーのサイトを見ていると、消費電力の項目に50Hzと60Hzで分けて記載されているのを見つけました。
今まで周波数のことを意識して電化製品を使ったことがなかったのですが、考えてみると違いがあって当然と思い、今回の検証することにしました。
この記事では電化製品を50Hzと60Hzに切り替えて動かしたときに、どれくらいの違いが出るのか検証しています。
検証に使用した機器
検証にはメーカーの違う2種類のポータブル電源を使用しました。
スペック | EcoFlow RIVER Pro | Anker PowerHouse II 400 |
---|---|---|
バッテリー容量 | 720Wh | 389Wh |
AC出力 (定格) | 600W | 300W |
AC出力 (瞬間最大) | 1200W | 600W |
ACモーターで動く扇風機
ACモーターで動く一般的な扇風機の風量を「強」にして、消費電力がどれくらい違うのか比較しました。
まずは50Hzを測定したところ「34W」で、使用可能時間は23時間を予測していました。
次に60Hzを測定すると「38W」で、4W多く消費していて、使用可能時間も3時間短い予想です。同じように「Anker PowerHouse II 400」でも比較しましたが、60Wの方が「5W」多く消費していました。
下の表は、それぞれのポータブル電源で3時間使用した時のバッテリー残量を比較したものです。
周波数 | EcoFlow RIVER Pro | Anker PowerHouse II 400 |
---|---|---|
60Hz | 84% (6時間後58%) | 56% |
50Hz | 85% (6時間後62%) | 61% |
50Hzで動かした時の方が消費電力が少なかったので、バッテリーの消費量も「50Hz」で動かした時の方が少ない結果となりました。その分、風量は弱くなっていると思いますが、体感できるほどではありません。
少しでも長く使いたい場合は「50Hz」で動かすのがいいと思います
消費電力75Wの電気毛布
消費電力75Wの電気毛布の出力を「強」にして比較しました。電気毛布の消費電力は常に上下して一定ではなかったので、それぞれのポータブル電源で2回づつ検証しました。
下の表は、3時間使用した時のバッテリー残量を比較したものです。
周波数 | EcoFlow RIVER Pro | Anker PowerHouse II 400 |
---|---|---|
60Hz (1回目) | 76% | 42% |
60Hz (2回目) | 74% | 40% |
50Hz (1回目) | 74% | 36% |
50Hz (2回目) | 75% | 38% |
結果を見ると若干60Hzの方が消費が少ないようですが、どちらの周波数が省電力か結論を出せるほどの差が出ませんでした。扇風機の結果から電気毛布も50Hzの方が省電力と思っていたので、期待外れな結果となりました。
消費電力430Wの湯沸かしポット
湯沸かしポットは消費電力が高いので、RIVER Proのみの検証になります。
まずは60Hzで使ってみたところ、最大消費電力はポットのスペックとほぼ同じ「429W」を消費していました。
50Hzは60Hzより「4W」少ないものの、全体の消費電力からすると違いは少ないものになりました。
下の表は、水温約8度から湯沸かしが完了するまでを、それぞれ4回連続で行った時のバッテリー残量を比較したものです。
50Hz (沸騰までの時間) | 60Hz (沸騰までの時間) | |
---|---|---|
1回目 | 87% (17分10秒) | 88% (16分23秒) |
2回目 | 69% (16分50秒) | 71% (16分28秒) |
3回目 | 42% (16分49秒) | 44% (16分52秒) |
4回目 | 14% (17分1秒) | 17% (16分49秒) |
1回につき1%程度の差なので、気にするほどの違いではありませんが、消費電力が少ない「50Hz」の方が若干ではありますが、バッテリー消費が多く、沸騰までの時間もかかりました。
50Hzにすると何でも省エネになるわけではないようです…
【まとめ】電化製品によっては節約できる
検証は3種類しかできませんでしたが、どちらかの周波数にすればバッテリーが長持ちするわけではないことが分かりました。それでも電化製品によっては節約できるものもあるので、これからポータブル電源で使用する電化製品は、どちらの周波数が長く使えるか確認しておこうと思った検証結果となりました。
この結果はあくまでも私の使用した機器での結果であって、すべての環境下で同じ結果になることを保証したものではありませんが、この記事を読んでくださった方の何かの参考にしてもらえれば幸いです。