
ポータブル電源の大容量高出力化が進む中、「Anker PowerHouse II 400」は最大出力300W、容量388Whという控えめなスペックで登場しました。このポータブル電源は「Anker PowerHouse」の後継機種で、コンパクトな本体や2種類のLEDライトを備えていることから、災害時を意識して作られているのかなと思います。
モバイルバッテリーや充電器で有名なANKERが作るポータブル電源が、どんな製品なのか気になり購入したので、比較対象になるであろう「Jackery400」や旧製品の「PowerHouse」とも比較しながらレビューしていきます。
目次
Anker PowerHouse II 400の特徴
Anker PowerHouse II 400の特徴のは以下の通り。
- 8台同時給電、合計516W出力
- 充電速度が早い
- 付属のLEDライトが優秀
- 安心のサポート
8台同時給電、合計516W出力
本体は小さいながらも同時に8台のデバイスに合計516Wで給電可能。
各ポートの出力の最大値
- AC:300W
- USB-A:36W
- USB-C:60W
- シガーソケット + DCポート:120W
上の写真は手持ちの電化製品を組み合わせて使って「408W」で給電している時のものです。当然、途中で止まることなく給電できました。
充電速度が早い
本体への充電は付属のACアダプターかUSB-PDに対応した充電器を使いますが、同時に使うとバッテリーが空の状態から満タンまで4時間に短縮できます。
下の表はバッテリー残量20%から100%になるまでにかかった時間を充電器ごとに比較したものです。
充電器 | 経過時間 |
ACアダプター | 5時間27分 |
PD充電器 | 6時間24分 |
ACアダプター + PD充電器 | 3時間28分 |
ポータブル電源は給電性能が重視されますが、それと同じくらい充電時間が短いことも重要と思っているので、2系統からの充電に対応しているのは嬉しい仕様です。
付属のライトが優秀
Anker PowerHouse II 400には側面と背面にLEDライトが搭載されています。
側面のライトは直線的な光で、遠くの物を照らす懐中電灯のような用途に向いていて、ライトの上にあるスイッチで光量とフラッシュライトを切り替えます。上の写真は真っ暗な部屋で3メートルくらい先を光量「強」で照らしたものです。
背面のライトは手前を広く照らす暖か味のある光で、光量は3段階に調整可能。食事をとったり何か書いたりするのには充分な明るさで、上の写真は光量「弱」で照らしたものです。
さらに天井に向けて照らすと、ぼんやりと部屋全体が明るくなります。(天井の壁紙が白色の場合)
普段の照明と比べるとかなり暗いですが、部屋で過ごすのに困らないくらいの明るさを少ない消費電力で確保できるので、停電した時には頼もしい存在になると思います。上の写真は光量「中」で照らしています。
下の表はバッテリー残量100%の状態から、それぞれのLEDライトを12時間点灯させた時の残量です。
側面LED「強」 | 背面LED「中」 |
96% | 94% |
以前、別のポータブル電源で消費電力の低い電化製品を使った時に、バッテリー残量が正確に表示されないことがありました。Anker PowerHouse II 400が同じとは限りませんが、背面LEDの場合、約200時間も点灯させられる計算です。
たぶん200時間も持たないと思いますが、消費電力が「3W」なので長持ちすることには変わりありません
安心のサポート(不具合発覚から交換まで)
私のAnker PowerHouse II 400は実は2台目で、1台目は不具合があったため交換してもらいました。不具合のある製品に当たってしまったことは残念ですが、その後の対応は手厚いものでした。
- 不具合の可能性に気付いたのは12月27日。世間は正月休みモードで返事は年明けになると思いつつもメールを送信。
- 次の日にメールが返ってきて、何通かやり取りしているうちに自分の製品に不具合があると確信。その旨を伝えると返金対応すると回答。
- 返金よりも製品を交換してもらいたいと伝えて交換手続き開始。この時点で12月29日。
- 翌日メールが届いて、発送の手配が完了した後、3~4営業日で到着するとのこと。
- その後12月31日に発送、1月1日に到着。
まさか年末年始に対応してもらえるとは思ってもみなかったので嬉しい誤算でした。また購入前から購入後も製品についての質問に丁寧に答えてもらえたことも助かりました。こういったサーポートは頼もしく、ANKERに人気があるのもうなずけます。
Anker PowerHouse II 400のスペック
「PowerHouse II 400」と比較対象の「Jackery400」と「PowerHouse」のスペックを比較。
PowerHouse II 400 | Jackery400 | PowerHouse | |
バッテリー容量 | 388.8Wh | 409.5Wh | 434Wh |
サイズ | 25.5 x 14.8 x 13.9cm | 23 x 13.5 x 16cm | 20 x 16.5 x 14.5cm |
重さ | 4.62Kg | 3.6Kg | 4.2Kg |
AC出力 | 110V / 300W | 100V / 200W | 110V / 200W |
USB-A | 3口 | 2口 | 4口 |
USB-C | 1口 | - | - |
シガーソケット | 12V / 10A | 12V / 10A | 12V / 10A |
動作温度 | 0~40度 | -10~40度 | 不明 |
個人的に大きな違いを感じたのは、ACの出力がAnker製品の110Vに対してJackery400は100Vであることと、-10度から動作するところです。
一般家庭の電圧は100Vなので、Jackery400の方が日本仕様の電化製品に優しいポータブル電源と言えます。また、最低動作温度の「0度」と「-10度」の違いは、キャンプや車中泊をする人にとって大きな違いになると思います。
Anker PowerHouse II 400の外観
本体正面にすべての差込口が配置されていて、ACプラグとシガーソケットはカバー付き。情報表示のモニターは大きくて視認性も良好。
右側面にはLEDライトと通気口があります。反対側は通気口のみ。ファンの音はすごく小さい。
背面にもLEDライトが内蔵されていて暖色系の暖かい光を放つ。
取っ手はしっかりしていて持ちやすいものの、折り畳めないため上に物が乗せられなくて不便。
底面には大きなゴム足が付いていて、斜面に置いても滑りにくくなっています。
ACの差し込みに大きなアダプターや充電器を挿すと電源ボタンやモニターの一部が隠れてしまいます。大して困りませんが挿し込む前に電源を入れておきましょう。
Jackery400とのサイズの比較。どちらもコンパクトですが取っ手が折り畳めない分、PowerHouse II 400の方が縦幅も横幅も広い。
横幅はほぼ同じ。重さはJackery400の3.4kgに対してPowerHouse II 400は4.62Kgもあるのでずっしりと重みを感じます。これはPowerHouse II 400が重いというよりJackery400が軽すぎなんですけどね。
付属品はACアダプター、USB-C to Cケーブル、USB-A to Cケーブルとマニュアルのみ。ソーラーパネルとシガーソケットに繋ぐケーブルは付属しない。
Anker PowerHouse II 400の出力性能
PowerHouse II 400 の出力は交流100V、直流12V、USB-A 5V / 2.4A、USB-C 20V/ 3Aの構成になっています。
操作方法はACとシガーソケットの場合、それぞれの差し込みの上にあるボタンを押します。USBはポートに差し込むだけでOK。使用中はボタン中央のLEDランプが青色に点灯して、すべての出力は同時に使えます。
注意ポイント
使い終わったらもう一度ボタンを押してランプを消しておかないとインバーターが電気を消費し続けるので、必ず電源は切っておきましょう。
バッテリー残量は大きな数字と5段階表示で分かりやすく、モニター右側には消費電力と使用可能時間が表示されます。ただしこの時間はあまり当てになりません。
モニターは電源ボタンを押すとしばらく点灯します。コントラストがはっきりして屋内で見やすいモニターは、屋外でもそこそこ見やすいですが、Jackery400の液晶ほどの視認性はありません。
また、他のメーカーのように長押しで電源が切れるタイプではなく、モニターが点いている時に使用中のボタンを押すだけで電源が落ちてしまうところは気になりました。
炊飯器のように途中から再開できないような電化製品を使っている時は心配です
AC (交流) 出力
AC出力の仕様
- 電圧:110V
- 出力周波数:50Hz / 60Hz
- 出力 (定格):300W
- 出力 (瞬間最大):600W
- 差込口:1口
- 波形:正弦波
AC出力はこの価格帯のポータブル電源ではもはや当たり前の正弦波で、PowerHouse II 400の場合、周波数を50hzと60hzに切り替えができます。(切り替えの手順は次の項目で説明しています)
正弦波とは?
ポータブル電源から出力できる交流には、大きく分けて正弦波と修正正弦波(矩形波)の2種類があります。
正弦波の波形はなめらかな曲線で安定しているので、高品質な電力を供給することができます。また家庭のコンセントからとれる電気とほぼ同じなので、ほとんどの家電が使えます。
それに対して修正正弦波はブロック状の直線的な波形をしています。そのため精密機器やモーターを必要とする電化製品、マイコン制御の電気毛布など波形に依存する製品は使えません。
50Hzと60Hzの切り替え方法
周波数の変更手順は簡単で、DC出力とUSB出力のボタンを同時に押すだけ。
変更が完了するとモニターに周波数が表示されます。設定は次に変更するまでは電源を切っても引き継がれます。初期設定は60Hz。
最近の電化製品なら、どちらの周波数にも対応していると思いますが、周波数が変えられると普段使っている電化製品を安心して使えます。
ACの電圧は100Vではない
PowerHouse II 400のACはスペック上110Vですが、実際に計ってみると「113.6V」ありました。今まで110Vのポータブル電源使ってきて一度も問題が起こったことはないので、PowerHouse II 400についても大丈夫とは思いますが、熱に変換する電化製品を使う時は注意した方がいいと思います。
ちなみに「Jackery400」と「家のコンセント」を測定したところ、それぞれ「102.6V」と「104V」で、Jackery 400は家のコンセントに近い電圧でした。
試しに「おひとりさま炊飯器」を使って実際にご飯を炊いてみました。
おひとりさま炊飯器のスペック
- 電圧:100V
- 消費電力:185W
- 最大炊飯量:1合
- 炊飯時間:0.5合:約14分、1合:約19分半
炊飯開始直後は一時的に「250W」近くまで上昇しましたが、しばらくすると「224W」付近で安定しました。Jackery400の場合、開始直後でも「205W」までしか上昇せず、その後「180W」前後で安定。その差44W。
ご飯は炊きムラもお焦げもなく美味しく炊けましたが、想定よりも高い電圧を送っているので、ご自身で試される場合は自己責任でお願いします。
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Anker PowerHouse II 400で動かした電化製品
ACモーターで動く一般的な扇風機を動かしてみました。PowerHouse II 400のACは正弦波なので、モーターからの異音もなく普通に動きます。
風量「強」で動かした時の消費電力は59W、中で45W、弱で43W、微風で30Wでした。
「微風」で6時間動かした時のバッテリーの消費量は45%分で、バッテリー容量全部を使うと約13時間使える計算です。
ACモーター扇風機のスペック
- 電源:100V 50/60Hz共用
- 消費電力:30W
- 羽サイズ:30cm
下の表は消費電力75Wの電気毛布を「中」で6時間動かした時の室温とバッテリー残量の推移です。
経過時間 | 室温 | バッテリー残量 |
0 | 4.9度 | 100% |
1時間 | 3.6度 | 82% |
2時間 | 3.1度 | 68% |
3時間 | 2.4度 | 54% |
4時間 | 1.9度 | 41% |
5時間 | 1.9度 | 28% |
6時間 | 2.1度 | 14% |
バッテリーを全部使うと7時間くらい使える計算で、一晩ならなんとか使えると思います。
電気毛布のスペック
- サイズ:188 ×130cm
- 消費電力:75W
- 消費電力量:弱=約13Wh、中=約30Wh、強=約57Wh
- 表面温度(目安):弱=約21度、適温=約33度、強=約53度
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LEDスタンドを光量別に消費電力を計りました。
光量を「強」にした時の消費電力は約19W、中の時は約16W、弱の時は約14Wで、バッテリー残量100%から光量「弱」で12時間点灯させた時の残量は「54%」でした。
本体に内蔵されているLEDライトと比べるとだいぶ明るいですが、インバーターも動かすので消費電力は遥かに大きくなりました。
LEDスタンドのスペック
- 出力:12V/1A
- 消費電力:約10W
USB接続ですが卓上扇風機を動かしてみました。
消費電力は強で6W、中で4W、弱で3Wで、出力「中」で24時間動かした時のバッテリー残量は84%になっていました。
出力「中」の風量はけっこうあるので、寝苦しい夜でも枕元に置いておけば、暑さをしのぐには充分だとます。
卓上扇風機のスペック
- 出力:5V/1A
- 消費電力 (最大):4W
使用できない電化製品
IHクッキングヒーターやドライヤーのように常時300W以上の出力が必要な製品には使えません。消費電力300W(瞬間最大600W)以下の製品のみ使用可能。
DC (直流) 出力
DC出力の仕様
- 電圧 / 電流 (シガーソケット、DCポート):12V / 10A
- 最大出力:120W(合計)
- 差込口:シガーソケット1口、DCポート2口
シガーソケットの電圧を「Anker PowerHouse II 400」と「Jackery400」でバッテリーの残量ごとに比較しました。
バッテリー残量 | Anker PowerHouse II 400 | Jackery400 |
100% | 12.36V | 13.32V |
80% | 12.35V | 13.32V |
60% | 12.35V | 13.32V |
40% | 12.34V | 13.31V |
20% | 12.34V | 13.31V |
どちらのポータブル電源もバッテリーの残量が少なくなっても電圧は下がりませんが、常に13Vを超える「Jackery400」の方が、より走行中の車に近い結果となりました。
バッテリーが減っても電圧が下がらないので、残量50%の状態から12V用の炊飯器を使って、室温7.7度の部屋で米1合を炊いてみました。
気温が低いのが影響したのか、炊き上がるまで1時間4分もかかりました。同じ条件でJackery400でも炊いてみましたが、こちらは43分で炊けたので電圧の低さが原因ではないかと思います。
バッテリー残量が減るにしたがって電圧が下がるポータブル電源で炊くと、時間がかかるだけでなく窯底のご飯の粒状感が失われて糊みたいになってしまうのですが、PowerHouse II 400は粒状感がしっかり残った美味しいご飯が炊けました。時間はかかりますが…
バッテリー容量が減っても電圧は12.3Vをキープ
下の表は、ご飯を1合炊くのにかかった時間と炊飯後の電圧を比較したものです。
Anker PowerHouse II 400 | Jackery400 |
1時間4分 | 43分 |
12.35V | 13.31V |
1Vの違いが けっこうな違いとなりました
USB出力
USBはPD充電対応のUSB-Cポートが1口、USB-Aが3口の構成になっています。
USB-C PDの仕様
- 電圧:5V、9V、15V、20V
- 電流:3A
- 最大出力:60W
- 差込口:1口
USB-Aの仕様
- 電圧:5V
- 電流:2.4A
- 最大出力:36W(3口の合計)
- 差込口:3口
ルールに正しく沿ったUSB PD
PD3.0の基本的なルール
- 電圧:5V、9V、15V、20V
- 電流:3A、5A (PowerHouse II 400は3Aのみ)
- PD以外の充電規格を混ぜてはいけない
USB充電器にしてもモバイルバッテリーにしてもルール違反の製品が多い中、PowerHouse II 400はきちんと規格通りに作られているから安心して使用できます。
PD60Wに対応したデバイスに 19.87V × 2.87A = 57.03Wで給電していました。60Wの給電ができるので、ほとんどのノートパソコンやタブレットに充電できるのではないでしょうか?
低電流モードに対応のUSB-A
USB出力スイッチをダブルクリックすると低電流モードになり、ランプが緑色になります。このモードはスマートウォッチやイヤホンなどの入力が小さいデバイスを充電する時に使います。
実際にワイヤレスイヤホンを1.7Wで充電していました。
Anker PowerHouse II 400の充電性能
バッテリーの仕様
- バッテリータイプ:リチウムイオン
- 容量:388.8Wh (108,000mAh)
- 充電回数:通常の保管条件で300~400回
充電中はモニターの左側に入力のワット数と充電完了までの時間が表示されます。ただしこの時間は給電時間と同じで当てになりません。
本体を充電しながら給電してもバッテリーが傷まない
ポータブル電源の機能で、本体を充電しながら給電するパススルー充電に対応しているのかメーカーに問い合わせたところ、以下のような内容の回答を頂きました。
本体を充電しながら他のデバイスの充電は可能だが、バッテリーを経由するパススルーではなく、バッテリーとは別の経路を使って給電するため、バッテリーには影響を与えない。(下の図 赤色の経路)
今まで充電しながら給電もできると言いながら、実際にやるとバッテリーを痛めてしまうパススルー充電でしたが、とうとうバッテリーに優しいポータブル電源が登場しました!
これで気兼ねなく本体を充電中にスマホやパソコンに給電できます!(モニターには入力の数値しか表示されません)
ACアダプターからの充電
ACアダプターの仕様
- 入力:AC100~240V、50Hz/60Hz、1.8A
- 出力:DC24.0V、2.7A
- 充電時間:20%から100%まで約5時間半(MAX60W)
室温14.1度でポータブル電源本体を充電した時のアダプターの温度は、一番熱いところで52.4度になっていました。アダプターの許容範囲は70度くらいあると思うのでまだまだ余裕はありますが、気温が高くなった時に何度まで上昇するのか気になります。
バッテリー残量20% → 97%までほぼ60Wで約5時間で充電できました。(100%までは約5時間半)
USB充電器からの充電
PowerHouse II 400はUSB-PD充電に対応しています。充電時間はACアダプターより長くなりますが、普段パソコンや携帯に使っている充電器をそのまま使えるのは便利です。
利用可能PD入力
- 5.0V × 3.0A = 15W
- 9.0V × 3.0A = 27W
- 15.0V × 3.0A = 45W
- 20.0V × 3.0A = 60W
PD入力は60Wに対応していますが、モニターに表示される値は、充電時のロスを引いた実際にバッテリーに入力される値(47~50Wくらい)となっています。
バッテリー残量20% → 98%までほぼ50Wで約6時間で充電できました。(100%までは約6時間半)
ACアダプターとUSB-PDの同時充電可能
ACアダプターとUSB-PD充電器を同時に使うと、0% → 100%まで4時間で充電が完了します。ただし同時に充電できるのはバッテリー残量が80%未満の時で、それ以上になるとACアダプターのみに切り替わります。
バッテリー残量20% → 80%までほぼ107~110Wで約2時間で充電できました。(100%までは約3時間半)
ソーラーパネルからの充電
使用できるソーラーパネルをメーカーに問い合わせたところ、できる限り60~100Wのものを使うように言われたので、種類は違いますが手持ちのソーラーパル3枚を使って検証しました。
100Wパネルからの充電
まずは出力100Wの固定式ソーラーパネルを使用しました。
ソーラパネルに繋ぐMC4ケーブルは、Jackery400用に買ったものが使えましたが、間違った物を買ってしまわないためにも、同梱にするか、オプションにしてでも発売してほしいです。
チャージコントローラーとパネルの仕様
- 制御方式:MPPT方式
- 入力:11~28V / 5.5A / 最大65W
- 使用パネル:ECO-WORTHY / 100W / 17.3V / 5.78A
このパネルはフレキシブルタイプや折りたたみ式と比べると、重くて持ち運びには不便ですが、雨ざらしにしても大丈夫なところと安いのが魅力です。
suaoki製の100Wのパネルと比較すると、フレキシブルタイプで19,800円、折りたたみ式では24,000円もします…(アマゾンでの比較)
その点 ECO-WORTHYは、10,000円というお手頃な価格!しかも5年品質保証!
検証は1月初旬の13:45、天気は快晴で発電量は60Wでした。DCポートからの入力の最大値は60Wのようです。雲がかかることを考えると、余裕をもって100Wくらいのパネルがちょうどいいのかなと思います。
チャージコントローラーについて
ソーラーパネルで作られた電気を適切にバッテリーに保存する装置にチャージコントローラーがありますが、PowerHouse II 400が採用している発電効率の優れたMPPT方式と、発電効率の劣るPWM方式があります。以前、MPPT方式とPWM方式のポータブル電源を使って検証した時は、MPPT方式の方が35%も多く発電していました。
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Jackery SolarSaga100からの充電(100W)
Jackery純正の「Solarsaga100」を借りれる機会があっでたので、PowerHouseで試してみました。
パネルの仕様
- 最大出力:100W
- 定格電圧:18V
- 定格電流:5.55A
このパネルは折りたたみ式のソーラーパネルでありながら、防水性能がIP65規格相当なので通常の雨風には耐えられる設計になっています。
また、ケーブル長が3メートルあるため、ポータブル電源を屋内に置いて充電できるので安心です。
元々Jackery製品用のパネルですが、PowerHouse400Ⅱにも使えます。発電量は57Wで、固定式の100Wパネルと比べると少し低い値でした。
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80Wパネルからの充電
次に80Wの折りたたみ式のパネルを使用しました。
パネルの仕様
- 最大出力:80W
- 定格電圧:18V
- 定格電流:5.68A
このパネルは出力が80Wでありながら、全く雲がない状況では100Wのソーラーパルと遜色ない発電量をたたき出す発電効率に優れたパネルです。
発電量は59Wでほぼ固定式の100Wパネルと変わらない値です。持ち運びを考えるとこのパネルとの組み合わせがいいと思います。
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50Wパネルからの充電
最後にsuaoki製の50Wのパネルを使用しました。メーカーからは60W以上をオススメされましたが、60Wのパネルは所有していないので、50Wのパネルで検証しました。
パネルの仕様
- 最大出力:50W
- 定格電圧:17V
- 定格電流:2.94A
このパネルはフレキシブルタイプ(パネルをある程度湾曲させて使えるため薄い)で、かなり軽くて1.2Kgしかありません。その分 ちょっと風がきついと動いてしまうので、使う時はペグを打つか どこかに固定したほうがいいと思います。
発電量は33Wと少ないですが、100Wのパネルの半分と考えれば、妥当な数値だと思います。
100Wや80Wのパネルからすると物足りませんが、発電量の少ないパネルからでも充電できることが確認できました。
シガーソケットからの充電
PowerHouse II 400にはシガーソケット用充電ケーブルが付属していません。
DCの入力プラグのサイズがJackery400と同じ8mmだったので、Jackery400に付属していたシガーソケット用のケーブルを使って充電しました。
シガーソケットからの充電は、ACアダプターからの充電と遜色ない「54W」もありました。移動中にこれだけ充電できれば充分です!
Amazonでシガーソケット用ケーブルを探しても5.5mm × 2.1mmの物が多くて8mmのものはなく、変換プラグ自体も見当たりませんでした。私はJackery400のケーブルや80Wのソーラーパル付属の変換プラグを利用すれば充電できますが、できれば同梱してもらいたいです。
価格の比較
「PowerHouse II 400」と「Jackery400」と「PowerHouse」のアマゾンでの価格を比較。
PowerHouse II 400 | Jackery400 | PowerHouse |
39,800円 | 44,800円 | 49,800円 |
PowerHouse II 400は最後に発売された製品なので当然スペックは高いのですが、価格は一番安くなっています。ポータブル電源に何を求めるかは人それぞれですが、ライバル製品に対して5,000円、旧製品に対しては10,000円も安く購入できるのは魅力です。
【まとめ】Anker PowerHouse II 400は防災を強く意識したポータブル電源
PowerHouse II 400を使ってみて、よかったところとイマイチなところにまとめました。
よかったところ
- 2種類のLEDライトを搭載
- コンパクト
- USB-PDがパワールールに即している
- 本体充電中にバッテリーを傷めずに給電できる
- 手厚いサポート
イマイチだったところ
- AC出力が110V
- シガーソケットとソーラーパネルに繋ぐケーブルが付属しない
- 取っ手が折りたためない
実際に使ってみてPowerHouse II 400は、そつなくまとめられたポータブル電源という印象です。
最大出力が300Wなので、消費電力の高い電化製品は使えませんが、複数のガジェットを同時に充電するには充分なスペック。スマホは通信手段だけでなく情報収集としても役立つツールですが、バッテリーが無くなると何の役にも立ちません。
PowerHouse II 400は、スマートフォンなら20回以上充電できる容量と、消費電力が少ないLEDライト備えているため、1台あると安心な防災グッズになると思います。また、太陽光発電ができるので、長期間の停電にも対応できると思います。
競合製品と比べても性能と価格のバランスがよく、1台目に選ぶポータブル電源としてオススメです。