何気なくアマゾンを見ていたら、正弦波で容量230Whのポータブル電源が、15,999円で販売されているのを発見してしまいました!同じようなスペックの製品は大体2万円を越すものが多いから、かなり安い。
見た目もポータブル電源によくありがちなゴテゴテしたデザインではなくてスッキリしててかっこいいし評価も悪くない。メーカー名を見ると「NOVOO」
ノボーって読むんでしょうか?聞いたことありません…
「信頼できるメーカーなのかな?」「 買っても大丈夫かな?」
後日覗いてみると、ちょうどセール中で、なんと12,664円!!
「これは買うしかない!」と勢いで買った「Power Adventure 230Wh」が、どんな製品なのかレビューしていこうと思います。
Power Adventure 230Whの特徴
- 正弦波で、200WのAC出力
- バッテリーを適切に管理する高い安全性能
- AC、DC、USB-A、USB-C の4種類の出力
- AC、DC、ソーラー、USB-PD の4種類の入力
- 12か月間安心保証
AC出力は家庭のコンセントと同じ正弦波なので、出力の範囲内ならほとんどの電化製品が動かせます。また、USB-CポートはUSB-PDに対応していて、出力だけでなく本体の充電もできてしまうスグレモノ!
Power Adventure 230Whの外観
シンプルで使いやすいデザインで、AC出力とシガーソケットにはカバー付。
アマゾンに掲載されている写真では、ACの差し込みは3ピンでしたが、実物は2ピンとなっていました。
本体は金属製で見た目より重く 3.2kg あります。側面の通気口のおかげで冷却性はよさそう。
一見、固そうな取っ手ですが、実は柔らかい素材でできています。柔らかいといっても、フニャフニャで持ちにくいということはありません。
底面には薄いですが、ゴム足が取り付けてあります。
充電プラグの差し込みは背面にあります。その下にある2つのファンは、それなりに大きな音で回りますが、排熱はしっかりしてくれそうです。
横幅は500mmlのペットボトルとほぼ同じ。
付属品はアダプター、USB C to Cケーブルとマニュアルのみ。ソーラー充電用のケーブルまでとは言いませんが、シガーソケット用の充電器は欲しかったですね。
気になったところ
前面の狭いスペースにスイッチや差し込みを集めたため、大きめのアダプターなどは隣のUSBに干渉してしまうし、電源本体からはみ出てしまいます。
アダプターを逆さまに挿したり延長コードを使えばいいのでしょうが、気になるポイントです。
また、アダプターなどの大きなものを挿すと、カバーの厚み分だけ真っ直ぐに挿せなくなります。
Power Adventure 230Whの出力性能
Power Adventure は交流100V、直流12V、USB-A、USB PDの出力が使えます。
操作方法は使いたい出力のボタンを押すだけ。ボタンと差込口は囲ってあるので直感的に使えます。
モニターは小さいながらもシンプルで必要な情報がひと目で分かります。
使い終わったらもう一度ボタンを押して表示を消しておかないとインバーターが電気を消費し続けます。ちなみに、ACとDCは同時には使えません。
AC (交流) 出力
AC出力の仕様
- 電圧:100V
- 出力周波数:60Hz (固定)
- 出力 (定格):200W
- 出力 (瞬間最大):220W
- 差込口:1個
- 波形:正弦波
なんといっても正弦波が使えるのが便利です。出力の範囲内であれば使う電化製品を選びません。バッテリー容量は230Whあるので電気毛布を使わなければ、キャンプや車中泊も十分こなしてくれると思います。
波形を測定したところ、きれいな正弦波の波形をしていました。周波数は60Hz固定なので、50Hzの地域の方はあらかじめ使用する機器が60Hz対応なのか調べておいたほうがいいでしょう。
正弦波とは?
ポータブル電源から出力できる交流には、大きく分けて正弦波と修正正弦波の2種類があります。
- 正弦波
-
正弦波の波形はなめらかな曲線で安定しているため、高品質な電力が供給できます。また家庭のコンセントからとれる電気とほぼ同じなので、ほとんどの家電が使えます
- 修正正弦波
-
それに対して修正正弦波はブロック状の直線的な波形をしています。そのため精密機器やモーターを必要とする電化製品、マイコン制御の電気毛布など波形に依存する製品は使えません。
PowerAdventure の波形は正弦波なので、出力の範囲内であればほとんどの家電が動かせます。
PowerAdventure を使って電化製品を動かしてみた
実際に PowerAdventure を使って電化製品をどれくらい動かせるのか検証してみました。
LED電気スタンド
どこにでもあるLED電気スタンドがどれくらい使えるのか試してみました。
- 出力:12V/1A
- 消費電力:約10W
PowerAdventure は消費電力が表示されないので、ワットチェッカーを使って測定した値が下の表になります。
出力 | 消費電力 |
弱 | 4W |
中 | 6W |
強 | 10W |
出力「弱」で残量が1メモリになるまで30時間点灯できました。仮に1日12時間使うとすると、2日半の明かりを確保できる計算です。
ACモーターで動く扇風機
- 電源:100V 50/60Hz共用
- 消費電力:30W
- 羽サイズ:30cm
ACモーターで動く一般的な扇風機を使ってみました。PowerAdoventure のACは正弦波なのでモーターからの異音もなく動きます。
出力 | 消費電力 |
微風 | 16W |
弱 | 28W |
中 | 30W |
強 | 44W |
バッテリー容量が満タンの状態から微風で6時間動かした時のバッテリーの残量は3目盛りでした。
USB卓上扇風機
- 出力:5V/1A
- 消費電力 (最大):4W
AC出力ではありませんが、USB卓上扇風機を動かしてみました。USBも消費電力が表示されないため、USB電流・電圧チェッカーを使って測定しました。
出力 | 消費電力 |
弱 | 1.17W |
中 | 2.04W |
強 | 4.19W |
消費電力が少ないので、かなり長い時間使い続けられます。
「弱」でも風量はそこそこあるので、枕元に置いておけば寝苦しい夜でも十分暑さをしのげると思います。
PLAYSTATION4 + 24インチLEDモニター + USBスピーカー
- PS4:最大250W
- 24インチLEDモニター:最大30W
- スピーカー:1.2W
初期型PS4 + 24インチLEDモニター + スピーカーの組み合わせで、しばらくゲームした時の最大値は160Wくらいでした。最大消費電力を全部足すと281.2Wなので許容範囲を越えていますが、電源は落ちませんでした。
ずっと160Wで動いた場合、満充電から1時間は動かせる計算です。
dynabook 15インチノートPC
- CPU:Core i3 2.13GHz
- 消費電力 (最大):約21W (65W)
一般的なノートパソコンを使ってみたところ、何もしない状態で21W前後、WEBの観覧23~43W、Youtubeの視聴28~30W、フルスクリーン時30~34W、DVD再生時27~30Wでした。
ポータブル電源と関係ありませんが、 DVD再生時の消費電力の少なさに驚きました。
DC (直流) 出力
DC出力の仕様
- 電圧:9~12.6V
- 電流:10A
- 最大出力:126W
- 差込口:1個
一般的にポータブル電源の直流は、充電量が減るにつれて電圧が下がります。バッテリー残量で電圧がどのように変化するのかまとめました。
バッテリー残量 | 電圧 |
100% | 12.48V |
80% | 11.8V |
60% | 11.1V |
40% | 10.7V |
20% | 10.53V |
残量100%のときの「12.48V」でも、走行中の車の電圧と比べると低いですが、20%になると「10.53V」まで下がってしまいます。
12V用炊飯器でご飯を炊いてみた
12V用の炊飯器を車のエンジンを切った状態で使えると便利だと思うので、実際にご飯を1合炊いてみました。
1合の場合、だいたい30分くらいで炊き上がるようなのですが、1時間5分もかかりました。
米の表面は一部分パサついていて、底には軽くお焦げがありました。
味は可もなく不可もなくといったところでした。PowerAdventure 230Whでご飯を炊くときは、1合までにしておいた方がよさそうです。
バッテリー残量は1メモリ減って電圧は11.52Vまで下がっていました。
Power Adventureだけでなくバッテリー残量が減るにつれてDCの電圧も下がるポータブル電源は、シガーソケットから電源を取る炊飯器との相性はよくありません。
USB出力
USB-A出力の仕様
- 電圧:5V
- 電流:2.4A
- 最大出力:12W
- 差込口:3口
USB-C出力の仕様
- 電圧:5V、9V、12V、15V、20V
- 電流:3A
- 最大出力:60W
- 差込口:1口
とにかくUSB-PDに対応しているところが気に入っています。充電にも対応しているから普段使っているUSB充電器で充電できます。
iPhone X を残量20%から充電を開始しましたところ、約15.2Wで充電していました。
30分で68%まで充電できました。かなり早いです!
USB-Aの出力は「5V × 2.4A」なのでごく普通の出力です。
それでも iPhoneに付属していた5Wの充電器と比べると早く、バッテリー残量20%からの充電時間は、30分で52%、80分で90%にできました。
Power Adventure 230Whの充電性能
バッテリーの仕様
- バッテリータイプ:リチウムイオン
- 容量:230Wh (62400mAh)
- 電圧:3.7V
- 使用温度:0度~40度
ACアダプターからの充電
- 入力:AC100~240V、50Hz/60Hz、1.3A
- 出力:DC18V、2A
- 充電時間:約7時間30分で満充電 (MAX37.8W)
充電中、モニターにはスマホのように充電マークが表示されます。
充電中のアダプターはけっこう熱くなりました。全体的には40~50度くらいですが、一部分が57度を越えました。
ソーラーパネルからの充電
- 制御方式:PWM方式
- 入力:12~18V / 2A
- 使用パネル:SUAOKI / 50W / 17V / 2.94A
Power Adventure にはソーラー充電用のケーブルは付属されていないので、別途購入しました。
充電時間6時間で、晴れと曇りが半々くらいの中で2メモリ増えていました。
ソーラー発電をして気付いたことは、天気がいいと思った日でも案外雲はあって、パネルの性能をフルに発揮させられる時間は短いということでした。
思ったほど充電できませんでした。
USB-PDで充電
- 入力:5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3A
- 最大:60W
- 充電時間:約5時間で満充電 (MAX57.3W)
USB-PDの充電がいちばん早くて約5時間で満充電になります。普段使っている充電器を使えるのが便利です。
シガーソケットからの充電
こちらも標準で付属されていなかったので、別途購入しました。
どれくらいで充電されているか表示されないので、他のポータブル電源のシガーソケットから電源をとったところ、24Wで充電されていました。
シガーソケットからの充電はオマケ程度に考えていてよさそうです。
【まとめ】超大容量のモバイルバッテリーとして使えるポータブル電源
実際に PowerAdventure を使ってみて、よかったところと気になったところにまとめました。
- 正弦波が使える
- USB PDで給電と充電ができる
- 高い安全性能
- 価格が安い
- 他にないデザイン
- 大きなアダプターを挿すとUSBに干渉してしまう
- シガーソケットからの充電器が同梱されていない
レビューした当時は小型で正弦波が使えるポータブル電源は珍しかったのですが、2022年現在では当たり前になっています。DCの電圧も下がらない製品が多くなり、あえてPowerAdventureを選ぶとすればUSB PDをメインに使用する場合です。
超大容量のモバイルバッテリーのように使えます。
しかし、現在は値上がりして2万円を超すようになってしまったので、USB PDに拘らないのであれば、価格が安くて使い勝手のいい「Jackery 240」をオススメします。