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【suaoki S670 レビュー】Jackery700の本命ライバル登場!災害時にも役立つ大容量ポータブル電源

10万円以下で買えるポータブル電源で「大容量・高出力」の製品は、ライバル不在の状態もあって「Jackery700」の独壇場でした。

今回、suaokiが満を持して発売した「suaoki S670」は、後発だけあってスペックも価格も「jackery700」を意識した、かなり魅力的な製品となっています。

この記事では「Jackery700と比較してどうなのか?」「 suaoki G500から買い足すほどの進化があるのか?」その辺りの比較も交えて「S670」を紹介しています。

目次

suaoki S670の特徴

  • 正弦波で大容量高出力
  • QC3、PD45W出力のUSB
  • 全ての充電性能が高い
  • 停電時に役立つLEDライト
  • 高い安全性
コナンティーノ

個人的にはPD充電に対応してくれたことと、ACアダプターからの充電時間が大幅に短縮されたことが嬉しいです

suaoki S670の外観

Jackery700やG500と比べると細長くなった印象で、操作面と差し込みは狭い方の面に集中しています。デザインはゴツゴツしてカッコいいです!

背面にはLEDライトを内蔵しています。

側面のスリットは半分が通気口になっていて、反対側も同じ作りになっています。どうでもいいことですが、こちらの面の「suaoki」は充電中に点滅します。

取っ手は折りたたみ式ではありません。Jackery700やG500は上面がフラットになって物が載せられるから、ちょっと残念。

底面には両端に大きなゴム足が付いていて、斜面に置いても滑りにくくなっています。

Jackery700とサイズを比較しました。横幅は狭いですが縦長です。

バッテリーの容量はほぼ同じでも本体の大きさはS670の方が大きく、重量もJackery700の6.3kgに対して7.85kgもあります。

付属品
  • ACアダプター
  • シガーソケット用充電器
  • ソーラーパネル用ケーブル
  • マニュアル
コナンティーノ

ソーラーパネル用のケーブルが同梱されていると、間違ったものを買う心配がなくていいですね!

内蔵LEDライトは強力で使い勝手がいい

内蔵LEDライトはかなり明るくて、普通に懐中電灯くらいの光量があります。ライトは「強」「弱」「点滅」に切り替えて使えます。

真っ暗な部屋で 3メートルくらい先を照らすとこんな感じになります。かなり明るいですが、部屋全体を照らすような明るさではありません。

スポットライト的な光ですが、天井に向けて照らすと反射して部屋全体をぼんやりと照らしてくれます。光量「弱」でもこれくらいの明るさになるので、暗くて困ることはありません。(天井の壁紙が白色の場合)

普段の照明器具と比べるとかなり暗いですが、ライトが当たっている真下では そこそこ明るいので、食事するくらいは十分可能です。

停電した時でも、これくらいの明るさがあれば朝までやり過ごすことができると思います。ただしスイッチ類が下になるので、押しっぱなしにならないようにする必要があります。

suaoki S670の出力性能

出力の種類
  • AC110V
  • 直流13V / 10A、直流12V / 10A
  • USB-A(QC3.0)
  • USB-C(PD65W)

出力の最大は全出力の合計で500Wまで。

放電深度(DOD)について

suaoki S670は電池の寿命を最大化するために電池容量の90%しか使えないようにしています。実際に使える容量は減りますがバッテリーに優しい仕様です。

S670の使い方
  1. 本体の電源ボタンを押す
  2. 使いたい電源ボタンを押す

使える状態の時は青色のLEDランプが点灯して、すべての出力は同時に使えます

電源を入れたままにしておくとインバーターが電気を消費し続けるので、使い終わったら必ず電源は切っておきましょう。

ディスプレイは残念仕様

モニターにはバッテリー残量が表示されますが、%で表示されるのではなく低価格帯のポータブル電源によくある5段階表示の大雑把なものです。

%表示が完璧に正確とは思いませんが、あとどれくらい使えるか予測しやすいので、せめて10%刻みにしてほしかったです。%表示に慣れてしまうと、どうしても物足りなさを感じてしまいます。

コナンティーノ

これはG500の不満点だったので、S670では改善してほしかったところです…

使用中に電源ボタンやACやDCのボタンを押すと、モニターがしばらく点灯します。色がきれいで屋内では見やすいのですが、スマホのように昼間の屋外では見づらいです。

コナンティーノ

ディスプレイに関しては、使用中に画面が常に点灯して、しかも腕時計のような液晶で屋外でも見やすいJackery700の圧勝です

AC (交流) 出力

差し込みは4口もあります。そのうちの2口はアース端子付コンセント対応になっているので、パソコンやモニターを変換無しで動かせます。

AC出力の仕様

  • 電圧:110V
  • 出力周波数:50Hz / 60Hz
  • 出力 (定格):500W
  • 出力 (瞬間最大):1000W
  • 差込口:4口
  • 波形:正弦波

AC出力の波形を測定

AC出力の波形を確認したところ、きれいな正弦波をしていました。S670はG500と同じように周波数を50hzと60hzに切り替えられます。(切り替えの手順は次の項目で説明しています)

正弦波とは?

ポータブル電源から出力できる交流には、大きく分けて正弦波と修正正弦波の2種類があります。

正弦波

正弦波の波形はなめらかな曲線で安定しているため、高品質な電力が供給できます。また家庭のコンセントからとれる電気とほぼ同じなので、ほとんどの家電が使えます

修正正弦波

それに対して修正正弦波はブロック状の直線的な波形をしています。そのため精密機器やモーターを必要とする電化製品、マイコン制御の電気毛布など波形に依存する製品は使えません。

suaoki S670の波形は正弦波なので、出力の範囲内であればほとんどの家電が動かせます

50Hzと60Hzの切替手順

STEP

本体の電源を入れる

STEP

ACボタンとDCボタンを同時に長押しして表示を変える

STEP

ACまたはDCボタンを長押しして周波数を変更(初期設定は60Hz)

STEP

ACボタンとDCボタンを同時に長押しすると、最初の画面に戻って変更が確定される。一度設定を変更すると次に変更するまでは電源を切っても引き継がれます。

コナンティーノ

最近の電化製品ならどちらの周波数にも対応しているとは思いますが、普段使っている電化製品を安心して使えます

S670で電化製品を動かしてみた

実際にS670を使って電化製品をどれくらい動かせるのか検証しました。

ポータブル冷蔵庫

車載用 冷蔵庫をシガーソケットに接続して動かしました。

車載用冷蔵庫のスペック
  • DC対応電圧:12V/24V
  • AC対応電圧:100-240V、50/60Hz
  • 定格消費電力:35W
  • 庫内サイズ:幅350 × 奥行246 × 高さ273mm

室温28度、冷蔵庫の出力設定「MAX」温度設定は一番低い「-22度」で6時間動かした時の経過を表にまとめました。

経過時間消費電力庫内温度バッテリー残量
064W21度5メモリ
30分50W-2度5メモリ
1時間45W-8度5メモリ
1時間30分41W-12度5メモリ
2時間39W-15度5メモリ
3時間37W-19度4メモリ
4時間34W-20度4メモリ
5時間35W-19度4メモリ
6時間35W-19度3メモリ

常温で保管していた500mlのペットボトルを左右と真ん中に3本立てて入れていましたが、側面2本はかなり凍っていました。冷却部材が側面に仕込まれているためよく冷えます。

コナンティーノ

よく冷やしたいものは側面に、冷やしすぎたくないものは中央に配置するのがいいと思います

冷蔵庫は設定温度になると運転を休止する仕様なので、家の冷蔵庫と同じ「5度」くらいで運用した場合、消費電力はもっと抑えられると思います。

ちなみに、この冷蔵庫は500mlのペットボトルはもちろん、1Lの牛乳パックやコーヒーのペットボトルも立てて冷やせます!

消費電力75Wの電気毛布

消費電力75Wの電気毛布を「中」で6時間動かした時のバッテリー残量の推移をまとめました。

経過時間室温バッテリー残量
05.1度5メモリ
1時間3.8度5メモリ
2時間3.2度5メモリ
3時間2.8度4メモリ
4時間2.4度4メモリ
5時間2.0度3メモリ
6時間1.7度3メモリ
コナンティーノ

0度を下回る気温になるとバッテリーの消費はもう少し早くなると予想されます

電気毛布のスペック
  • サイズ:188 ×130cm
  • 消費電力:75W
  • 消費電力量:弱=約13Wh、中=約30Wh、強=約57Wh
  • 表面温度(目安):弱=約21度、適温=約33度、強=約53度

石油ファンヒーター

室温12度、設定温度18度でファンヒーターを動かしました。

運転開始時の消費電力は最大460Wくらいで、燃焼が落ち着いてくると160~190W前後で動いていました。6時間動かした時のバッテリー残量は2メモリでした。(2メモリなって直ぐくらい)

ファンヒーターのスペック
  • 最大消費電力:390W(点火初期に短時間発生)
  • 定格消費電力:129W(大火力時)
  • 定格消費電力:62W(小火力時

消費電力10WのLEDスタンド

LEDスタンドのスペック
  • 出力:12V/1A
  • 消費電力:約10W

LEDスタンドを光量別に消費電力を計りました。

光量消費電力
3.7W
5.7W
9.2W

「弱」で48時間点灯させた時のバッテリー残量は3メモリでした(たぶん2メモリに近い3メモリ)全容量を使うとどれくらい点灯させられるのかはやっていませんが、1日12時間使った場合、確実に4日間は持つことが確認できました。

5段階の残量計は1目盛りが20%もあるので、2目盛りになって直ぐなのか、1目盛りに近い2目盛りなのかで大きな違いがあります。「%」表示のポータブル電源と比べて残量管理はやりにくいです。

ACモーターで動く扇風機

扇風機のスペック
  • 電源:100V 50/60Hz共用
  • 消費電力:30W
  • 羽サイズ:30cm

ACモーターで動く一般的な扇風機を動かしました。S670は正弦波なのでモーターからの異音もなく問題なく動きます。

出力消費電力
微風27W
30W
32W
45W

微風で動かすとだいたい6時間で1メモリ減るので、全部の容量を使い切ると30時間くらい動かせる計算です。

USB卓上扇風機

卓上扇風機のスペック
  • 出力:5V/1A
  • 消費電力 (最大):4W

USB卓上扇風機を動かしました。DCモーターを使った小型扇風機なので、消費電力はかなり低いです。

風量消費電力
1.21W
2.27W
4.38W

風量「弱」でだいたい52時間動かした時に、バッテリー残量は3メモリになっていました。

コナンティーノ

「弱」でも風量はそこそこあるので、枕元に置いておけば寝苦しい夜でも十分暑さをしのげると思います

その他 電化製品稼働時間、及び充電回数の目安

※ 意稼働時間と充電回数はメーカー公表値です。

消費電力430Wの湯沸かしポットは動かない

今までJackery700との組み合わせで使っていた最大消費電力430Wの電気ポットは使えませんでした。個人的にはかなり残念です。

正確には暫くは動かせますが途中で止まってしまいます。Jackery700で動かした時の消費電力は最大で413Wでしたが、S670は500Wを超えた状態が続きます。

その結果「E36」という出力過負荷保護機能が働いて止まります。

原因は S670の電圧が110Vであることが原因と思われます。実際にS670の電圧を計ると、ほぼスペック通りの「109.5V」でした。

Jackery700は「100.4V」でこちらも、ほぼスペック通りの値です。ちなみに家のコンセントは「104V」でした。

電圧の推移の比較

バッテリー残量S670Jackery700G500
100%109.5V100.4V110.5V
80%109.5V100.4V110.5V
60%109.5V100.3V110.2V
40%109.5V100.4V110.4V
20%109.5V100.4V110.5V

この中で一番電圧の高い「G500」を今まで使ってきましたが、不具合が起こったことは一度もありません。

日本のACは100Vですが世界的に見ると珍しく、殆どの国では110V~240Vの電圧になっています。そのため100Vで使うことを想定した電化製品を高い電圧で使用すると故障の原因になるだけでなく、熱に変える電化製品の場合、危険が伴う可能性があるので使用しない方がいいと思います。

コナンティーノ

S670と湯沸かしポットを車に積んでラーメンツーリングに行こうと思っていましたが予定が狂いました

ダウントランスで使えるようになる

S670に直接つないだ時は途中で止まりましたが、電圧を下げる装置の「ダウントランス」を経由すると使えるようになります!

容量は550Wのものもありましたが、1100Wのもと800円くらいしか違わなかったので、余裕をもって1100Wの製品を選びしました。小さい割に2.7Kgもあるのでかなり重く感じます。

実際にS670に繋いで電圧を計ってみたところ「91.4V」でした。ダウントランスを使わなかった場合が「109.5V」だったので「約18V」も下がりました。

思っていた以上に電圧が下がったのでメーカーに問い合わせたところ「NDF-1100Uは、120Vの入力を100Vで出力する仕様なので、入力が110Vの場合、出力も低くなります」という回答をいただきました。

製品の説明欄に入力電圧は「AC110~130V」と書いてあったので、入力の電圧によって切り替わるのかと思っていましたが「120V」固定で作ってあります。

ポットを使ってみた

実際に使うと消費電力は「506W」から「353W」まで減少。

電圧は低くても「97.2度」まで17分で沸かました。

コナンティーノ

約4,000円のポットを動かすために、6,000円くらい出費する意味があるのかは人それぞれですが、安心して使えるのは確かです

DC (直流) 出力

DC出力の仕様

  • 電圧 / 電流 (シガーソケット):13V / 10A
  • 電圧 / 電流 (DCポート):12V / 10A
  • 最大出力:130W
  • 差込口:シガーソケット1口、DCポート2口

低価格帯のポータブル電源の直流は、バッテリー残量が減るにつれて電圧も下がりますが、S670はどうなるのかまとめました。

バッテリー残量電圧
100%13.50V
80%13.49V
60%13.49V
40%13.49V
20%13.49V

もはや、この価格帯のポータブル電源でDCの電圧が下がらないのは当たり前のようです。残量が20%になっても13.4Vをキープしていました!

バッテリーの残量が減っても電圧が下がらないので、米1合を残量が2メモリから炊いてみました。

結果は全く問題なく、約37分で炊けました。

炊きあがりは蒸らし時間を長く取りすぎて表面が少しカサついていましたが、かき混ぜると問題なく、粒状感もしっかりしたご飯が炊けました。

当然ながら電圧は13.4Vをキープ!

下の表はご飯を1合炊くのにかかった時間と炊飯後の電圧を比較したものです。

S670Jackery700G500
経過時間37分36分35分
電圧13.49V13.30V12.88V

S670とJackery 700は走行中の車と同じ13Vを常に超えるため、12Vの電化製品の性能をずっとフルに引き出せます!G500は少し電圧が低いですが、炊飯の結果を見る限りでは問題なさそうです。

USB出力

USBの構成
  • USB-PD:1口
  • QC3.0:2口
  • 5V × 3A:2口

PD充電に対応する機器が普及してきた昨今、5V × 2.4AしかないJackery700や、PD充電できないG500と比べて大きな違いとなりました。(※USB-PDは給電のみ)

QC3.0出力の仕様

  • 電圧:3.6V~20V
  • 電流:2.6A、4.6A
  • 最大出力:18W
  • 差込口:2口

USB-C PD出力の仕様

  • 電圧:5V、9V、12V、15V、20V
  • 電流:3A、2.25A
  • 最大出力:45W
  • 差込口:1口

QC3の出力性能

Quick Charge 3.0は、接続機器に最適な電圧・電流を自動で判断して充電してくれる便利な規格です。アップル製品のようにQuick Chargeに対応していない機器を接続した場合は、通常の5Vで充電されます。

下位互換性があるので、古いバージョンにしか対応していない機器でも使えます。

QC3ポート急速充電対応規格
  • Apple2.4A
  • USB-DCP-5V-1.5A
  • QC3 4.4V-12.0V
  • QC2 9V、12V
  • Samsung-AFC 9V、12V
  • Huawei-FCP 9V

QC3.0対応のアンドロイドスマホを残量20%から充電したところ、約16W で出力していました

経過時間バッテリー残量
020%
30分53%
60分83%
90分96%
105分100%
コナンティーノ

QC3.0の出力は最大18Wなので、性能をフルに発揮した満足のいく結果となりました

USB-PDの出力性能

USB-PD(USB Power Delivery)は、USB TYPE-Cを使った高出力給電が可能な国際標準規格で、1つの充電器やバッテリーで、スマホやタブレット、ノートPC、ゲーム機もカバーできる互換性の高さも特徴です。

USB-PDで給電するためには、電気を送る側と受け取る側、そしてケーブルもUSB-PDに対応する必要があります。どれか1つでも欠けるとフルに性能を発揮できません。

Mac Book Air をバッテリー残量20%から充電すると、約38W で充電していました

下の表はS670とアップル純正の充電器をバッテリー残量20%から充電した時の比較です。

経過時間S670純正充電器
020%20%
30分50%48%
60分72%71%
90分87%86%
120分96%95%
フル充電2時間16分2時間20分
コナンティーノ

純正の充電器とほぼ同じ時間で完了。PD充電の結果にも満足です!

iPhoneのPD充電について

PD充電は「TYPE-C to Cケーブル」を使いますが、iPhone8以降に発売された製品は「USB-C to Lightningケーブル」を使うとPD充電ができます。

suaoki S670の充電性能

バッテリーの仕様

  • バッテリータイプ:リチウムイオン
  • 容量:720Wh (200,000mAh)
  • 充電サイクル:500回以上

S670は、ACアダプター、シガーソケット、ソーラーパネルからの充電に対応しています。充電する時はDCポートに充電器のプラグを挿すだけ。充電中は青色のLEDが点灯します。

充電サイクルとは?

よく勘違いしがちなのが充電した回数で、これは間違い。

「充電サイクル」はバッテリー容量を100%消費した時点で1回とカウントされます。

例えばバッテリー容量が100%の状態から50%を消費した後、100%まで充電したとします。この時点では1回とはみなされず、そこから更に50%消費した時点で1回とカウントされます。

コナンティーノ

S670を1週間に1サイクルのペースで使用した場合、9年半以上も使える計算です

パススルー充電について

S670は、充電しながら給電できるパススルー充電に対応していますが、マニュアルには「電池の使用寿命を長くするためには、充電と放電を同時に行うことはお勧めしません」と書いてあります。

パススルー充電はできるというだけで、緊急時のみにしておいた方がよさそうです。

ACアダプターからの充電

ACアダプターの仕様

  • 入力:AC100~240V、50Hz/60Hz、2.5A
  • 出力:DC42.0V、4.0A
  • 充電時間:20%から約5時間で満充電 (MAX157W)

S670のACアダプターは出力が高くて最大で「157W」もありました。今まで使ってきたポータブル電源の倍くらいの出力で、720Whのバッテリーを残量20%の状態から4時間56分で満充電できました。

ただし、充電時のファンは結構大きな音で回ります。耳障りな高周波ではないので私は気になりませんが、充電しながら同じ部屋で寝るのは辛いかもしれません。

充電時間の比較

S670Jackery700G500
容量720Wh700Wh500Wh
最大値 (実測)157W81W87W
充電時間4時間56分8時間6分5時間11分

Jackery700と比べて3時間も早く充電が完了します。この差はかなり大きい!

室温が19度の時点でアダプターの一番熱いころは65度を超えました。これくらいの温度は許容範囲内だと思いますが、これから先、気温が高くなった時にどこまで上昇するのか心配になります。

マニュアルにアダプターの耐熱温度が書いてありませんが、G500の70度と同じとしてもまだ少し余裕はあります。それでもずっと触っていたら低温火傷をしそうなくらい熱いので、卓上扇風機を使ってアダプターを冷やしてみました。

その結果、一気に20度も下がりました!!

実際に触っても、ほんのり温かいくらいです。

夏場はアダプターの温度がもっと上がると思うので、涼しい部屋かアダプターを冷やしながら充電した方がいいと思います。

ソーラーパネルからの充電

大容量のポータブル電源でも使い続けるとバッテリーは空になってしまいますが、ソーラーパネルを使うと手軽に充電できるので、コンセントのない場所や停電が長引くような時に役立ちます。

100W据え置き型パネルからの充電

検証には据え置きタイプのソーラーパネルを使用しました。

S670はソーラパネルに繋ぐケーブルが付属しているので別途購入する必要がありません。ケーブルによってプラスマイナスが逆のものがあるので、間違った物を買わないためにも同梱されているのは助かりす。

チャージコントローラーとパネルの仕様

制御方式:MPPT方式
入力:12~45V / 最大168W
使用パネル:ECO-WORTHY / 100W / 18V / 5.55A

このパネルはフレキシブルタイプや折りたたみ式と比べると重くて持ち運びには不便ですが、雨ざらしにしても大丈夫なところと安さが魅力です。

同じ100Wの純正パネルは、フレキシブルタイプで19,800円、折りたたみ式にいたっては24,000円もします…(アマゾンでの比較)その点、ECO-WORTHYは 10,000円というお手頃価格!しかも5年品質保証!

重量は9kgあるので分厚くてかさばりますが、もともと災害時の備えとして購入しているので持ち運ぶことを重要視していないし、ガレージから外に出すくらいは苦になりません。

逆にその重さが、少々の風でもびくともしないというメリットになります。

※純正品以外のソーラーパネルの使用は自己責任でお願いします。

suaoki S670 の発電性能

検証は3月25日 15時、天気は快晴で発電量は85Wでした。もう少し早い時間帯なら、もっと多く発電できたかもしれません。

入力の最大値が168Wなので、150Wくらいのソーラーパネルを使うのがベストだと思います。

チャージコントローラーについて

ソーラーパネルで作った電気をバッテリーに保存する装置をチャージコントローラーと言いますが、S670が採用している発電効率の優れたMPPT方式と、発電効率の劣るPWM方式があります。

コナンティーノ

以前、MPPT方式とPWM方式のポータブル電源を使って検証した時は、MPPT方式の方が35%も多く発電していました

ソーラーパネルからの充電(50W)

suaoki純正フレキシブルタイプ(パネルをある程度湾曲させて使えるため薄い)で50Wのソーラーパネルを使って充電しました。

このパネルは かなり軽くて1.2Kgしかありません。大きさも 69cm x 52cm でそれほど大きくなく、持ち運びに適したソーラーパネルです。

その分 ちょっと風がきついと動くので、使う時はペグを打つか どこかに固定したほうがいいでしょう。

発電量は思ってたより少ない39Wでした。S670のバッテリー容量からすると実用的ではないですが、発電量の少ないパネルからでも充電できることが確認できました。

ソーラー発電をして気付いたことは、天気がいいと思った日でもけっこう雲はあって、パネルの性能をフルに発揮できる時間は短いということでした。

コナンティーノ

思っているほど充電できないので、夜に消費した電力をできるだけ回復させるくらいに考えておいた方がいいと思います

シガーソケットからの充電

シガーソケットからの充電は「121W」もありました。シガーソケットからこれだけ充電できたら十分です!移動時間も無駄にしません!!

入力値の比較

S670Jackery700G500
121W41W7W
コナンティーノ

G500の7Wは論外ですが、Jackery700と比べてもS670の充電性能は圧倒的です!

【 まとめ】完成度の高いポータブル電源

実際に使ってどうだったのか、よかったところと気になったところにまとめました。

よかったところ
  • 720Wh / 500Wの大容量・高出力
  • ほとんどの精密機器が問題なく使える
  • 全ての充電性能が高い
  • USB出力の性能が高い
  • ACの出力が50Hz/60Hzに切り替え可能
  • 付属品が充実している
気になったところ
  • バッテリー残量が%表示されない
  • 消費電力430Wの湯沸かしポットが使えない
  • 重い

個人的に気に入ったところは充電性能の高さで、suaokiが今まで強かったソーラー充電に加えて、ACアダプターとシガーソケットからの充電が大幅に強化された非常に使い勝手のいいポータブル電源になりました。

細かい不満点はあるものの、備え付けのLEDライトは明るく、大容量で高出力な出力性能や充電性能の高さも含めて、災害時の備えとして有効なポータブル電源だと思います。

S670は、G500の不満に思っていたところを改善するだけでなく、Jackery700を上回る性能を持った、買い替え買い増しに十分値するポータブル電源です。

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